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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

youとthey

「私」が主語である場合は、隠れていても、比較的容易に思いつけるだろう。
だがそうはいかない場合もたくさんある。
たとえばこの直前の文、「比較的容易に思いつけるだろう」
これを英語で言うとしたら主語は?
もちろん受動態を使えば「私が主語である文」を主語に(ややこしいな)することもできるが、別項(受動態に関する項目)で述べているように、英語では日本語で考えるより受動態は多用しない。

こういうときの主語は「You」である。

Youを単に目の前の相手「あなた」だと思っていると、この感覚はつかみにくい。初心者はyouが時には複数(あなたたち)であることすら思いつかないことも多い。が、それどころではなく、youはもっと広い範囲の人をさすのに使えるのだ。
つまり「一般的な人々」をさすのである。一般的な人々にはもちろん目の前の相手「あなた」も含まれる(そして大概の場合は「私」も含まれる)。
先の文は
When the subject is "I", you can easily think of it.
などと言える。

「Youは一般的な人々の意味で使える」
この文にだって「主語」がない。だからYouを主語にして、こうなる。
You can use "you" as "general people".

日本語で主語が意識されないとき、主語は「I」である場合も多いだろうが、こんなふうに「一般的な人々」という意味が隠れていることも非常に多い(もちろん、実際に目の前の相手をさすyouが主語の場合も多いだろう)。
IでだめならYouでいけ、である(特定の第三者やモノゴトについて何か言う場合はおそらく日本語でも主語らしきものが意識されているだろう)。

だが「『あなた』や『私』が含まれていない『人々』」が主語であることもある。

「カナダではフランス語も話す」

しばしば、受動態でFrench is also spoken in Canada.とか作文され、「それを能動態に直しなさい」などという問題が見受けられるが、これまた別項で述べたが受動態と能動態の文は、伝えている事実は同じでもニュアンスはけっこう違うのである。受動態にした場合は、「フランス語」という語に一番の焦点が当たっている。そもそもフランス語というトピックについて話していて、それは本家フランスだけではなくてカナダでも話されている、などと言いたい場合はこちらのほうがしっくりくるのだが、そうでない場合はどうするのか?

主語として They を使うのである。

They also speak French in Canada.

この場合、theyにはあなたであれ私であれ、話している当事者たちは含まれていない。

「あのレストランには美味しいメキシコ料理があるよ」
They have great Mexican dishes at that restaurant.

ちなみに視点を変えればYouを主語にすることもできる。
You can have[eat] great Mexican dishes at that restaurant.
もっともこの文はThat restaurant has great Mexican dishes.でもいいのであるが。

レストランといえば、実際にそこに行ってその店の人と話をするなら、当然youが出てくることになる。
「ベジタリアン向けの料理はありますか?」

「ありますか?」だからIs there~とかかしら?と思った方は、まあ悪くないが中途半端な英語感覚である。その料理を提供する主体はまさにそのお店の人なのだから(たとえアルバイトのウエイトレスであっても)、Is there~?では妙に人ごとのようでよそよそしい。

Do you have any vegitarian dishes here?

これが正解。もちろんレストランだけではなく買い物をするお店でも同じ。
慣れている人には当たり前すぎるほど当たり前のことなのだが、とっさに思いつけない人は、こういうところから「主語感覚」を磨いていく必要がある。
ここではhaveという動詞の感覚や使いこなし方もポイントなのだが、まあそれは別項でいずれ。

さて次回は(いつになることやら…?)もうひとつの主語のキモ、「it」について書くつもりである。

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